東京駅の空中権取引と新丸の内ビル
2007年に完成しオープンした新丸の内ビルの容積率はなんと1760%、堂々の日本一です。これは空中権取引なくしては実現しませんでした。
というのも、新丸の内ビルの容積率の365%は、東京駅の未利用となっている容積を空中権取引により買い取ったものだからです。もともと、新丸の内ビルの敷地容積率基準は1,300%でした。それを空中権取引によって1,760%に増やし、地上38階建て、高さはこれまでのビル(31メートル)の6倍以上の高さ198メートルの高層ビルへの建て替えが可能となりました。
空中権取引は、都市部の限られた空間を有効に活用する手段として、100年ほど前に米国で考案されたものです。
日本では、2000年から「歴史的建造物など低いまま保存すべき建造物があり、周辺でより高層のビル建設の必要がる」など、都道府県などが必要と認めれば隣接していなくても容積率を取引できる特例制度が新設されました。
これにより、東京駅周辺の約120ヘクタールが、「特例容積率適用区域」に指定され、区域内では低層の東京駅が利用しない空中部分の容積率を別の場所に移して利用することが可能となりました。
東京駅は2003年に国の重要文化財に指定された有名な2階建ての赤レンガを用いた駅舎です。東京都とJR東日本は、この赤レンガ造りの駅舎を保存・復元して駅周辺を整備する費用として約500億円を想定しており、この費用を新丸の内ビルなど周辺の高層ビルに、東京駅が使っていない容積を譲渡する空中権取引によって捻出することにしました。そして、新丸の内ビルを所有する三菱地所が、JR東日本から東京駅の容積率を買い取ったというわけです。
東京駅の空中権取引は「新丸の内ビル」のほか、三菱地所の「東京ビル」(丸の内口側、164メートル)とJR東日本などの 「ツインタワー」(八重洲口に2棟、約200メートル)でも利用されています。
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2009年3月22日|
カテゴリー:東京駅の空中権取引
