空中権とは
空中権とは何か、まだまだ知られていないように思います。また、領空権と混同している方もいて驚かされます。先日も、北朝鮮のミサイル発射に関連して「空中権は一体どうなってるんだ」という会話を電車のなかで聞いたばかりです。
空中権とは、そんな遠い上空の話しではありません。
空中権の空は青空の空というより、空間の空または空っぽや空白の空と思った方が分かりやすいでしょう。
というのも、空中権とは、ひとつに「地上(または地下)の一部を使用する地上権または地役権で、電線の架設や地下鉄のトンネルなどに設定される」権利、そしてもうひとつが建物の容積率のうち、未利用容積率分を移転する権利をいいます。
一つ目の空中権は、普通の地上権(地役権)と土地利用の範囲が異なるだけで、法的には同じ扱いです。
二つ目空中権は、都市空間の有効活用を目的に米国で法制化されたものですが、2000年に日本でも特例制度が新設され、隣接地などに容積率を譲渡できるようになりました。
そして、2002年に東京駅周辺の約120ヘクタールが、国内で最初の「特例容積率適用区域」に指定されたことから、注目を集めるようになりました。
この「特例容積率適用区域」を簡単に説明すると、歴史的建造物を守りながら、その建造物の未利用容積率を周辺エリアで活用しようというもので、赤レンガで有名なJR東京駅舎を保存するために指定されたものです。
それだけ聞くと、空中権とは遙か上空の話ではありませんが、土地を持たない庶民には縁のない権利かもしれなせんね。
でも、新丸の内ビルディングとして丸ノ内ビルディングが地上38階建てに生まれ変わったのは、東京駅の空中権取引により1300%だった容積率が1760%となって実現したと聞くと、興味が沸いてきませんか。
その昔、切手少年・少女だった方達なら一度は写真などで見たことのある憧れの東京中央郵便局。
東京中央郵便局は、大正期・モダニズム建築の代表作ともいわれる建物ですが、正面部分の景色を残しつつ地上38階・地下4階建てにする計画があるそうです。
しかし、東京中央郵便局もこの特例容積率適用区域内にあるため、東京駅舎と同じように空中権を大手町などの再開発ビルに移転すれば、貴重な近代建築を保存しながら事業再編の資金を得られる。その方が事業経営上有利働くのではないか。と、高層化に反対する意見が出てきたため当初の計画が空中に浮くかもしれない状況になっています。
空中権とは庶民には手の届かない権利ですが、今庶民にホットな話題を提供しています。
タグ
2009年3月22日|
カテゴリー:空中権
