空中権と電線
空中権には二つの意味があり、そのひとつが契約により設定する空間の上下の範囲を定めて土地を独占的に使用する権利をいいます。
その法的な形式によって「区分地上権」または「区分地上権に準ずる地役権」に分かれます。
「区分地上権による空中権」とは、例えば空中電線を所有する目的で上下の限られた空間を排他独占的に使用して収益を得る権利をいいます。
「区分地上権に準ずる地役権による空中権」とは、例えば電柱の設置場所の便益のために他人の土地の空中に電線を設置するなどして使用する権利です。
空中権のもうひとつの権利は、未利用の容積率を移転する権利で、都市計画で定められた容積率(建物の敷地面積に対する総床面積の割合)のうち、未使用のものを他の土地に移転する権利をいいます。
空中権、電線とふたつの文字が並ぶと、今は人気のない麻生総理が総理になる前に述べた<地方経済を活性化する持論>記事を思い出します。
まず、電線についてです。
「昼間に都内で空を見上げてご覧なさい。電柱と電線だらけで、本当に汚いですよ。電柱を地下に埋設すれば世界一の街になるのに。そうすれば観光客だって増えるし、景観は国の資産になるんですよ。ところが東京電力は経済産業省の管轄で、NTTは総務省、みたいな役所のセクショナリズムで事が進まない。
電線だらけなのは都内だけではありません。日本全国同じ状態でしょう。先進国でこれほど空中に電線が這いめぐらされている国は日本くらいだときいたことがあります。
ぜひ、実現させて欲しいと思ったものですが、麻生氏は総理になって、空を見上げる余裕がなくなったのでしょうか、電線を埋設することに関する発言はこれっきり聞いたことがありません。
次に空中権についての麻生氏の発言です。実は、このとき始めてそんな権利があるのかと知りました。
「地方の商店街が寂れているというが、そもそも商店のオジサンは郊外に立派な家を建てて、自分は店に住んでいない。だったら店の空中権を県や市が買い取って、商店の上に老人向けのマンションを造ればいい。商店街にオートマチックに人通りができますよ。お年寄りは車の運転が危ないから、エレベーターで降りていって買い物ができたら便利でしょ。」
わたしの知り合いの店主はみな店舗と住居が一緒なのですが……、一体どこの商店街のオジサンのことを言っているのかと思ったものです。店主が郊外に立派な家を建てたら商店街ならすたれることはないんじゃないかと。
でも、店の空中権を買い取って、店の上にマンションを建てるというのはいい考えだと思います。老人用だけではなく、独身向け、所帯向けを併用したマンションがいいと思いますが。
それはさておき、空中権というのはどれくらいの価値があるものなんでしょうか。
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2009年3月22日|
カテゴリー:空中権と電線
